セルフコンシステント

内海健氏の「0.5秒の闇」は、セルフコンシステントに対し示唆的である。

与えられた感覚刺激が意識に上るまでには、0.5秒かかる。それではすべて遅すぎる。しかしこの遅延には意味がある。

物語るための時間である。生き延びることの間尺に合わないこの遅延は、「語り」を拓くものだ。そこに自分を関与させるのである。自分がリアルタイムに出来事に居合わせたとするのではない。「主体」としてかかわったのだとするのである。つまり我々の意識に上るためのこの時間差は、「脳の創りもの」であるが、自分の「経験」として取り込むことを可能にする時間なのである。

ゆえに「人工知能」に「主体」を構築するためには、「自己無撞着引算法」(朝永振一郎氏)があり、それが素粒子との「仮想過程」を示しているのである。

 

キーワード:リベットの実験 くりこみ理論 素粒子論 セルフコンシステント 人工知能

 

参考

「ちくま科学評論選」   岩間輝生 坂口浩一 関口隆一 吉田修久 編

素粒子論の始まり」湯川・朝永・坂田を中心に   亀淵辿 著