AIと免疫

本書は秀逸である。

AIは人間の価値をどう判断するか。そこには「倫理の逆襲」がある。

人間には歴史がある。バブル経済を知る人間、ポストモダニズムの嵐を知らない人間もいる。しかしプリミティブ(原始的)な感じでの「倫理」は戻ってくる。

カント氏の物自体という考えは、死者も、いまだ生まれざる者も包摂している。

宗教的にも、法学的にも、「知性を示す」というだけで、AIを人間と同じように扱うことは危険である。人間が「特別」なのは「知性があるから」ではない。知性を「権利主体」の基準とする考え方では、知性による差別化が正当化されてしまうからだ。

法学の観点から見たとき、人権を保障する理由は、「人間が人間であるという理由だけで保障されるべき権利がある」という、これはほぼ「トートロジー」の説明である。あえて「なぜ?」と問わない態度こそが、人権保障の根幹である。

 

キーワード:免疫

 

人間が治る(直る)ということは、知性による「知的回復」ではない。再び「生きる喜び」を与えてくれる機会に出会うことである。

 

参考

「AI時代の憲法論」人工知能に人権はあるか   木村草太編著  佐藤優 山川宏