認知革命と数

ニューロンがつなぐ情報伝達が「10回に3回しかつかないスイッチの意味」は、300に対し1000を用意することである。これが産み落とされる卵の数と生き残る数とすれは、それは数の可塑性、数学的数の拡張の神秘である。これは無駄ではない、逆に完全性に備えているからだ。確率の低さを頻度でカバーする数学は、変化に対する「圧縮」であり「冗長性」でもある。300を1000にする「分割」は「密度」でもあり、「繊細さ」を呼びこむことでもある。

事物の「切り分け」は、環境の何をどんな風にして命をつなぐ糧としているかを示すからである。その意味で数学は一つの「認知革命」である。「奇数」が対称性(左右)と中央性と階層性(上下)の信仰感覚に有利なように、証明は無限の恐怖から計算をうまく除外させた歴史もある。もしそれが「偶数」であったなら、どれだけ分け前が人に平等であったことか。

バリケードは街を封鎖する。しかし道を開く」は、まさかの革命である。自然に内在する二重性は準拠の枠の移動というアイデアによって、ますます確かなものになってゆく。この二重性は数の拡大であり異なった観点が異なった特徴を照らし出す。数学はそれ自身が変化して、自らを創造しているのである。数学の関心は進歩の過程ではなく、「流出」していく情景を指すその「源泉」にある。

祭儀や儀式、信仰としての様式化が数学の源泉とその拡がりに影響している可能性は高い。伝統のブレンドがその「正しさ」にあったとしても、そこには論理と美と心地よさが必ずあるはずである。

 

参考

「つながる脳科学」    理化学研究所 脳科学総合研究センター 編

微分積分復讐帳」    竹内淳 著

「自然現象はなぜ数式で記述できるのか」   志村史夫 著

「美の考古学」   松木武彦 著

モダニズム崩壊後の建築」   五十嵐太郎 著

「数学の秘かな愉しみ」   K・C・コール 著

「数学者たちはなにを考えてきたか」   仙田章雄 著

「数学史のすすめ」   高瀬正仁 著

「数学の想像力」   加藤文元 著