依存の感覚(形而上学的不安から科学宗教的不安へ)

田中智志氏のデューイ著作集、解題『「確実性の探求」に寄せて』は、新感覚を予感させる。

そこには近代と共に忘却され放逐された「依存の感覚」が「宗教的態度」とともに回復されたことを示す。明示的には語りえない「否定神学」をこの「科学的確実性」は「依存」として示す。神から科学という確実性への新しい強い依存の復活である。

科学に対する「宗教的態度」という表現はまた、確実性に対する人間の依存的弱さを示す。

そして科学が喚起する依存の感覚は、相互依存という相互主観性の「想像力」、超越論的構想力をも暗示している。

 

フッサール氏の現象学もまた、拡張された超越論的なもの、という概念で動いているとザハヴィ氏は語る。彼の「超越論的観念論」は、経験の世界と経験の「相互主観的実践」は共に「内在的」であることを示す。

つまり経験的実在論は、超越論的観念論としてのフッサール氏の現象学を必要とすることで、本当の「実在」を構成する。

言うならばハイデガー氏の「存在忘却」(神学的形而上学的不安)を、「プラグマティズム」という「科学宗教的な依存的態度」により、実在を相互主観性という「依存的態度」により再構築するのである。

 

キーワード: 分業→他者依存→相互主観性

 

参考

デューイ著作4 哲学4「確実性の探求」    ジョン・デューイ 著

フッサールの遺産」現象学形而上学・超越論哲学    ダン・ザハヴィ 著