実証的研究

本書は秀逸である。

従来の「権力による支配」(力学)から、「被害者が実は加害者」という偽装有利が巧みに増えている。推察に値する現象である。

それは境界性パーソナリティ障害(無謀で危険なライフスタイルを持ちやすい)に見られる激しい怒りや衝動性は同じだが、他人を操作しようとする傾向の方法においては、巧みなコミュニケーション能力を駆使する点でまるで違っている。

境界性では自殺の素振りや自傷行為、あるいは脅しや怒りによって相手を巻き込み、操作しようとする。しかしそこには自己愛性パーソナリティ障害同様、このタイプの人々も心の奥には救い難い虚無感があり、大きな劣等感に苛まれている。つまり、「他人を悩ませるが、自分も悩む」のである。

そこによれば、大胆な時代を進める原動力は、ある程度怖いもの知らずのサイコパスが担っているかもしれない。動揺しない、ブレない。しかしそこには「コミュニケーション能力」があっても「感情が無い」、だから不安もなく、冷静かつ大胆なのである。

ただそのすべてが反社会的ではないが、「人格」には難がある。ゆえにカリスマとして「集団」が選ばないことが重要である。あくまで単独者(個性)として活かす方法が有用である。

 

参考

サイコパスの真実」    原田隆之 著