先行事象論

本書は秀逸である。複雑な計算に翻弄され、追いついていけない現代の認識論を整理する。

それが、アーベル氏とガロア氏の根の違いである。

ガロア氏が、方程式を代数的に解くという行為から、「解く」とはどういうことなのかをパラダイム変換した背景には、「根の置換群の構造解明」がすべてに先立つことを発見したことにある。

ここからより多くの情報習得が可能になる。つまり答えを求めることではなく、答えを含む構造を明らかにしたからである。

それは写像(同型写像・自己同型写像)も含め、対称性の度合いとしての測る尺度が、すなわち「置換」なのであるという事に行き着いたからである。ここから方程式を解くということが、「根そのものが対称性を崩していく過程」にある、という事(逆説)に帰着て行くのである。

 

参考

「方程式のガロア群」    金重明 著