腹話術師

本書は秀逸である。

帝国の支配下で、帝国の言語で発言する被植民地人は、一種の腹話術師である。彼らは一つ口で二つのことを話す者、二枚の舌を持ったものである。このきわどいゲームは彼ら自身も分裂し破壊する。同時に彼らの存在自体が母国語、国語のアイデンティティの境界に対する鋭い刃となる。ひたすら一つの言語だけを話す者、母国語だけで生きる者にとって、帝国は視野に入ってこない。帝国の言語を真似する者、自らの言語でない他の言語で他の思考を試みる者に、初めて転覆の可能性が開かれる。植民地の二重言語使用は可能性への期待である。

 

  キーワード:男女雇用機会均等法 男女共同参画社会基本法

 

参考

「植民地の腹話術師たち」朝鮮の近代小説を読む   金哲 著