「過剰」とは「省略」され「荒地」化された状態の別名である

メアリー・シーコール女史は、人種差別と偏見のために、ナイチンゲールと別の扱いを歴史上受けた。しかし飯田武郎氏は、D・H・ロレンス氏研究の中で、自立した女性の中からそれを再発見した。

柳瀬尚紀氏は、将棋の羽生善治氏が故升田幸三九段を評した言葉に「ユリシーズ」を見る。

「たぶんあまり気づいている人はいないと思いますが、それはただの偶然に、たまたまその形になってしまったのか、あるいはカンみたいなものでこの形が有力なんじゃないかと思ったのか・・・ただ、あんなにいろいろながでてくるとなると、単なる偶然ではないんじゃないかな、と思わせるところがあるんですよ。」

つまり翻訳家二人は、省略(荒地)されている世界に、再び肉付けして、再構築することが重要であることを示すのである。

 

参考

「メアリー・シーコール自伝」もう一人のナイチンゲールの闘い  アリー・シーコール 著 飯田武郎 訳

ユリシーズ航海記』「ユリシーズ」を読むための本   柳瀬尚紀 著