二重否定論理(ヘーゲル弁証法からマルクス経済学へ)

「生産特性」より前に存在したのは「調整ルール」である。否定の否定」という「ヘーゲル弁証法」を「逆立ちした弁証法」であると言ったマルクス経済学の意味を考える。

はじめにありきは、「安定性は積極的な調整に基づく」ということである。酵素調整や神経科学脳科学では、二重否定の論理(抑制の抑制)がエネルギー論より重要であることを示す。その意味で現代の因果論は間違っている。「AはBを引き起こす」という正の関係ではなく、「Aは、Bを抑制する何か(リプレッサ)を制御する」という負のフィードバックの存在のあらわれが鍵だからである。

ウイルスもこの抑制が破壊され除去された時に、遺伝子がオンされる。大地はなぜ緑なのか、なぜ緑から始まったのか。それは「草食動物は、利用可能なすべての植物を食べつくさない傾向にある」からだ。つまり食物連鎖における重要性は、地位にはなく、その影響力(栄養カスケード)の大きさにあるからだ。

マルクス経済学は、「価格」がこの二重否定論理(抑制の抑制)ではないことを知っていた。それが「転倒したヘーゲル主義」の意味である。価格では「過剰」を調整できない、ゆえに「地位」も濫用されるのである。

 

参考

セレンゲティ・ルール」生命はいかに調整されるか   ショーン・B・キャロル 著