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グランド経済学草稿2017

経済学と経済学史は別々に読まれるものではない。18世紀は「空間の世紀」であり、19世紀は「歴史の世紀」であった。

ここから「普遍」と「進化」の並列概念が生まれて行く。重要な「貿易」という流通「経路」が現われるからだ。これは生産力重視か、貿易重視かにあらわれた。そしてプラザ合意はそこから生まれきた。

19世紀、個性や特殊性を重視するドイツ歴史学派は、18世紀生産力を重視する「啓蒙主義」的な普遍主義的概念の発見に見劣りするものではない。限定地域論はいまでも保護貿易主義の中心である。ここには「生産力の経済学」よりも「流通が不可欠な経済史」が現われるが、この並列は流通整備を、経済そのものを遅らせる重篤な両義的要素となる。

「関税障壁」が実は「プラザ合意」への進展と見るのが現在の主流派経済学である。それでもマンチェスター学派等が「自由貿易」を主張したのは、「自由貿易帝国概念」(世界工場という普遍概念)による。なぜならその後リスト氏は、「関税撤廃」と鉄道建設による「インフラ整備」(国民経済学)に向かっているからだ。生産力の上昇は、流通の軽視を補わなければならない必然を持つ。

「バブル」の発展段階は、「貿易摩擦」の深刻化から起こる。そこに登場したのがプラザ合意という日本の「円高」の進行であった。つまり景気後退局面には、こうした保護貿易主義と自由貿易帝国主義の双方が起因してくるのである。

 

キーワード:自由貿易 流通 保護貿易 生産力

 

参考

「世界流通史」   谷澤毅 著

「日本経済史1600-2015」歴史に読む現代   牛島利明 他 著