裏日本史としての「公界」

twitterのビジネス利用を勧められても、サラリーマンが読むわけもなく、むしろ「転向」時代を経験した博士論文提出者くらいの意欲者しか興味を持ってはくれまい、というのが本書であるが、これはこれで秀逸である。

日本の一国主義は虚偽で、それは「アジア」まで漫然と広がっていた。漠然とした「裏日本史観」は、網野史学が語るように、単純に「大東亜」ではない。ゆえに天皇象徴は一国主義の象徴ではなく、祖先以前性として現存在しており、「転向」は肩透かしであったことが示されている。

そこにあるのは「常民」ではなく「日本海を内海」とする非常民「無縁・公界・楽」であった可能性は高い。天皇制と結びつけられていた様々な目論見は、日本海「安保」(日米安全保障)にあったと今さら、緩く理解できるのである。

 

キーワード:相互扶助論

 

参考

アナキスト民俗学」尊皇の官僚・柳田国男   絓秀実 木藤亮太 著