東急池上線

「猫」との間で生まれた対話から擬人化が生まれ、そこから生じた個人的な空想、想像は周囲の共感を呼んで、人びとの間に語られ、あるいは共同幻想となって広まった。猫はあの頃、こうして人を招いた。

時には「おかげまいり」の影が横切る。売るものがなく、両親が整えてくれた女の命とも言うべき嫁入り支度の衣類を提供し、販売商品として店頭に並べたときに来た「悟り」を、人びとはそう呼んでいた。

森林の中からスタジオの音も聴こえた。木々のカスタム・コンソールと最高のレコーディング環境があの頃の池上線だった。

 

参考

「猫の伝説 116話」     谷真介 著

「百貨店とは」       飛田健彦 著

「スタジオの音が聴こえる」   高橋健太郎 著