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見るということ

再び映画へ。見るということへ。

映画館で映画を見る観客のシーンは皆同じ方向を向いている。見るということの等方向性。それは日常にある。しかしそれが映画の中にあると不思議な構成となる。映画の中にまた映画館がある。無限退行に向かうかのように見える。しかしこの視線の等方向性は、壁の主題でもある。人は壁に向かっているように見える。しかしそれが奥行である。それは見えないが見える。

通勤・通学の電車を駅で待つ人々の等方向性、七五三の写真、成人式の写真、卒業写真も等方向に見える。この構図への執着は、みんな前を、同じ方向を見ている二次元である。二次元には壁が立ちはだかるが、それは当然の奥行を歩く。

 

参考

「監督 小津安二郎」増補決定版   蓮實重彦 著