物理学と生物学(多孔理論と自己組織化)

本書は秀逸である。解説が先に進める。

回転機構は人類に力学的かつ幾何学的な理由を与えた。そしてそれが「生き物」という先への説明を可能にした。つまり生き物は回転機構を利用していないのになぜエネルギー機構なのかという理由に迫る。そして金属材料を使わない生き物の理由である。

まず「モーターと筋肉は同じである」という認識が重要だ。生物は流体を利用する。シリンダという形態だ。それは外環境にもある同じ構造だ。単純な人工筋肉はラバチュエータと呼ばれるが、それは繊維のように繊細な自己増殖できる大量生産と自己修理能力が同時に必要である。実はこれが自己組織化という生き物全般のエネルギー機構の鍵を支えている。微細技術(表面技術等)と自己組織化(ips細胞)は現代に近づいている。そして金属の場合、「生産方式が材料を選ぶ」ということで、自己増殖だけでなく、自己組織化(制御)できなければならないから当然不向きであった。つまり生物が回転機構を使わずチューブや電線の概念、すなわち血管や神経という形態・機構を使う理由は、回転機構が「本体が末梢側の部品を養う必要はない」と考えるのとは違い、生き物の場合は「自ら末梢を養う必要がある」という理念に支えられているからである。実はこれが「微細」自己増殖と自己組織化(修復)を「自由度」として可能にしたのである。

 

キーワード: MEMS iPS細胞

 

参考

『ロボットはなぜ生き物に似てしまうのか』工学に立ちはだかる「究極の力学構造」   鈴森康一 著