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双性(共生と多様性)

私の「双子の多孔理論」を箇条書きに説明するには、本書は秀逸すぎる。

1、コペルニクス的転回。

(生態系は、太陽を食べる生態系(光合成)と、地球を食べる生態系(酸化による化学)の、双子である。)

2、太陽系の食物連鎖は「食う、食われ」であるが、地球には「共生」によるエネルギーシステムが存在する。深海生態系は「圧と慣性系」の下にあるが、決して「落ちてくるおこぼれ」で生活しているのではない。

3、「チューブワーム」は「熱水噴出孔」に群がるが、それは熱水に依存しているのではなく、「硫化水素とメタン」に依存している。

4、深海生物は「中空体」を持たないがしかし、そこには「圧力変成」が存在している。そこにあるのが「細胞膜」の「脂肪酸」である。不飽和脂肪酸は圧力応答的な分子を生んだ。

5、「圧電素子」の発想は、この生態による圧力変化と海底熱水の赤外線探知を「光合成」として融合させている。

6、また「レイノルズ数」(慣性力と粘性力の比)は「捕食」と「体の大きさ」において利用される。「粘性の世界」の捕食は素早く動いて捕食するよりも水流を起こして口を開けておけばよい。逃げるときだけ素早く「慣性の世界」へ逃げ込めばいいことになる。

7、チューブワームには「ヘモグロビン」があるが、これは「酸素は酸素」で、「硫化水素硫化水素」で別々に結合できるもので、それは「体内共生バクテリア」で獲得されたものとされる。これが「栄養」を得るためサイクル、「イオウ酸化バクテリア」を生んだ。

8、そしてこれらの成果は、「オイルシープ」(原油漏出)の場所や、「脂肪酸分析」により「局所的な地殻変動」までをも推定する。

 

参考

「深海生物学への招待」    長沼毅 著