適用条件の境界

本書は、我々が感じるトレンド感を表わしている。トレンドとは言いながらも、それは1%に過ぎない。選択が氾濫した世界で、1%がトレンドになったのだから、自分には該当しない感覚が世界となっている。そして選択肢が細かくなればなるほど、それぞれの選択肢の違いを見極めることは難しくなっている。今までのような大きなトレンドは無く、個性的なグループのトレンドがあるだけだ。ゆえに目立たない小さなグループが、私たちの社会を形作るのに大きな影響を及ぼす。今日の大衆社会では、わずか1%の熱心な人びとが主流派とは違う選択をするだけで、世界を変えるほどの波をつくりだすことができる。特に政治における選挙の大きな流れと立候補者の絞り込まれたテーマにおいて、それは顕著に表れている。また、1%の景気回復者の兆しが見られれば、関係ない我々も景気回復しているかのような波に乗せられてしまうのである。

マイクロトレンドはまるで「噂」のような感じで我々に迫る。しかしそれは嘘ではない。ただ正しいことはひとつではなく、たくさんあるという選択肢を示しているだけにすぎない。噂は真実であるが、それを信じることも信じなことも、個人の選択にかかる。大きな正しさに排除される時代は終焉したのである。正しさの政治的主張から道徳を踏みにじる暴力に出るのは無意味であることを、このマイクロトレンドは示す。呼びかけに答え、本当に行動する人間がどれだけいるのか?それが最終トレンド(熱心)である。

 

例: 寛大すぎる親?

子どもの躾はそれなりにしているという親の答えがほとんどの中、調査をすればほとんどの親はこどもの躾に厳しくない。その理由は、91パーセントの親がほかの親には厳しいという認知から出た歪みに支えられている。子どもの問題ではなく、親の問題であることがここで明らかになる。他者には適用しても自分には適用しないというモラルの歪がいまだ「大きなトレンド」となっている。今後「マイクロトレンド」の意識を理解すれば、子どもに「真実の適用」を教えることができることはハッキリしている。

 

 

参考

「マイクロトレンド」世の中を動かす1%の人びと  マーク・J・ペン E・キニー・ザレスン 著