製作者と大衆と流行

「日曜娯楽版」の辛辣な政治批評、社会風刺の要素を取り除き、「春風の如きユーモア」のある番組ということで「ユーモア劇場」は始まる。「冗談音楽」はヒットソングに支えられ、継続の運びとなる。しかしユーモアもまた、批評や風刺ということで、保守政権が圧力をかけて終わる。放送は川柳や替え歌の経験から「のど自慢」を大衆性と指導性を持ったものとして迎えいれる。レコードはやがて商品となり、大量生産されればされるほど、それは流行歌ということだけでなく、社会情勢、大衆心理を代表するものとして拡大再生産されてゆく。

こうして娯楽番組制作者とレコード製作者の双方は、時代感覚や社会環境下に生きる感情と密接に結びついてゆく。そしてそれは「はやり歌」から、人工的に唄わせる「流行らせ唄」に変質してゆくのである。

 

参考

「娯楽番組を創った男」丸山鐵雄と〈サラリーマン表現者〉の誕生   尾原宏之 著