社会的許容度

本書はその「敏感さ」が時代であることを教える。

犯罪と治安を対象化することは難しい。軽犯罪に対する不安がほぼ連続して増加してきたことがはっきりわかっただけで、犯罪と治安の悪さが逃れられない「上げ潮」にあるとか、人と人の暴力がどうにもならないほど増加していると結論すべきなのだろうか?

「告訴の対象とならなかったいくつかの違法行為の形式は洩れ、その他のたとえば保険金詐欺のような違法行為は過剰に現れる。」としたら?

統計は敏感さと社会の評価に依存しているが、その許容限度はさまざまである。犯罪と軽犯罪は相対的で、社会的にきわめて「作られた」、生活態度や規範や社会統制の形に応じて揺れ動く身分しか持たない。

こうして「生活態度の文明化」の長い動きは加速され、かつては許容されていた行為を拒絶し犯罪だとする「敏感な心」を持った個人を出現させた。犯罪統計学は、犯罪のあてにならない動きなどよりもずっと、「不満の性質」ないしは、社会的許容性の変動を測ることのできるものとなったのである。

こうしてリスクの許容度もその「事前」の射程となる。

 

参考

「犯罪・捜査・メディア」19世紀フランスの治安と文化    ドミニク・カリファ 著