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月報24「私と汝の病理」木村敏氏の論理から、「他者に乗っ取られた自己」を、現代のSNS的兆候として捉える。他者を過大に意識する行為は自己が自己で制御できず、他者に乗っ取られているような妄想へと直行する。

妄想に他者が出現する様態という点に焦点を絞ると、それは大きく分けて「パラノイア型」と「統合失調症型」の二種類があると木村氏は説く。

そしてパラノイア型の場合、妄想的他者は自己の外部から自己の秩序を脅かそうとするものであるが、統合失調症の妄想に出現する他者は、原則として具体的な人物のかたちをとらないという。この正体不明の他者性の化身は、他者というよりも自己を自己として成立されている根拠そのものが自己性を失い、自己がいわばその根底から他有化され、根源的に他者性をおびた自己を生きざるをえなくなっている状態を言う、と考えられている。

 

参考

西田幾多郎全集」第二十四巻   岩波書店