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仕掛けとルール

本書は秀逸であり友好的だ。

仕掛けがあってルールは生まれる。そしてそのルールは新しいルールをつくるという好循環がうまれた。ルールは従うものではなくもともと楽しい遊びだったからその探究心は尽きることのない魅力を持つ。そうでなければルールという手法は、社会に生まれ、これほど貢献することはなかったのである。

ルール探しは社会科学(法)にも自然科学(法則)にも、仕掛けるという魅力の発見から生まれた。そこには学究やゲームという面白味があったからだ。ルールは尽きない、それが人生を楽しくつくる。ルールははじめから道徳や共同認識から生まれたものではなく、仕掛けとして、従うということをとおして、人々を魅了したのである。

仕掛けは行動の選択肢を増やす。なにも無いところから行動の意味や楽しさはうまれないからだ。仕掛けは、行動の選択肢を追加してるだけだ。自ら選んで行動する楽しみは「事前」に準備されている自由だ。そしてそれは結果的に問題を解決する。この意味で設計手法における「デフォルトの選択肢」と「オルタナティブな選択肢は、つい選びたくなる、というもう一つの行動(安全)をも支えている。

そして行動と解決する問題の関係が、一見すると無関係な時ほどうまい仕掛け(魅力的な発見)となる。行動の多義性を利用するとは、そう言うことである。

遊びと人間が進化してきた道筋はこうだ。仕掛けは装置によって問題解決を図る前に、まず人々の行動を変えることで問題解決を図る。装置中心主義(コスト)はこの仕掛けとルールの魅力と発見からうまれた科学であるからだ。ゆえにいまでもこのコストのかからないアプローチは有効であり、感動的な友好を生む可能性を持つ。

そしてこの遊び心は、正論が利かないときの処方箋として最も効果を発揮する。遊びと人間、仕掛学は決して正論を阻害するものではない。これは実現されない正論に対処するための代替的アプローチである。

 

キーワード:友好 ゲーム 学術

 

参考

ホモ・ルーデンス」   ホイジンガ 著

「遊びと人間」     ロジェ・カイヨワ 著

「仕掛学」人を動かすアイデアのつくり方   松村真宏 著