事前と事後(文脈)

本書はブランドの本当の意味を教えてくれている。

「ブランド」という視点は、「情報の非対称性」にある。ブランドという視点がなければ、交換はすべて、買い手が売り手の提供する価値を「事前」に了解でき、それに見合った価値を支払うという、ごく単純な活動になってしまう。しかし買い手は商品を事前に見分けることができない。そこにブランドの存在意義(情報の非対称性)は成立している。

しかしその文脈は、誰が手に取っても良いものと分かるように、選びやすい指標のように貼られた固定価値ラベリング行為というものではなく、買ってはじめて良かったという事後の感想によって成り立っているのである。

人は選択を冒険し、そのあと検証し、修正条項を自己に提出して、さらにより良いものを発見する自信をつけてゆくのである(経験則)。それが自己自身の成長を保証するブランド存在(自己)の文脈である。

 

参考

「ブランド戦略全書」    田中洋 編