中心と周辺(不動産)

「中心」で商売するに見合う「業態」がないというのが現代の苦悩である。相変わらず都心の地価は高いが、郊外や物流・通販での営みを展開しようとするコストパフォーマンスの業態は増えている。都心の一等地での業態の入れ代わりは激しいというより、むしろ無理がある。つまり地価には、もうそれに見合う力がないのである。こうして根拠のない地価が、ゾンビのようにテリトリーを拡大させているのである。

歴史上を振り返ると、勧銀が市街地の中心部分を営業の基盤とするのに対して、農銀の営業基盤は市街地の周辺をも含む、つまり抵当物が広く(鑑定価格帯が広範囲に)分布していることに基づく。抵当物価格の低落は市街地の中心部ほど実は大きい。ゆえに抵当債券は抵当証券より優れているのである。

 

参考

「ポスト・マネタリズムの金融政策」  翁邦雄 著

「日本不動産金融史」都市農工銀行の歴史的意義  植田欣次 著