一見白黒

「金融所得課税の一体化」は、広範囲な金融資産収益の損益通算を認めることによって、長期的には所得税収の維持拡大を図りつつ、資産選択における課税の中立性の回復を通じて個人投資家の経済厚生の向上とリスク資産への積極的投資を喚起しうる望ましい効果を持つ。

しかしそれでも「租税回避行動」を避けることができないとなると、格差容認となる「優遇措置」の整理を図らねばならない。裏をかえせば、税収さえうまく確保できれば、格差は容認するというシステム構築に過ぎない。

なぜ現代、税収に綻びが見られるのか?もとをただせば再分配に魅力がないからなのか、収益本位で再分配など考えていないからなのか、それとも税収構築システムに才能がないからなのか?

国家と共にあるからこそ強い民主主義と、グローバル化と共にあるからこそ強い市場。どちらに踏みにじられるかは、一見、スタイルによる。

 

参考

「租税の経済分析」望ましい税制をめざして    森徹・森田雄一 著