入出力(離散系の自己組織化)

「計算機科学」のパイオニアであるアラン・チューリング氏は、拡散は「必ずしも一様に拡がらずに、逆に集中化される」というパラドクス(収束)を知っていた。「神経細胞の活動電位」も、拡散は「必ずしも一様には拡がらず、ある一定の形を保つ」という拡散のパラドクスで示されている。

離散系は「無限級数が有限の値に近づく」ことを知って、有限の中で無限を、無限から有限を考えることが不合理でないことを証明した。ここに「試行回数」の概念は確実に超越された。

つまり「出力のほうは入力に対して自由度が少ない」、ということ。このことは離散的に捉えた有限の事象から、それをつなぐことによって無限の世界をつくりだしているという事である。これが「時間圧縮」という連続である。これは「予測」という自然のメカニズムの発端であり、「自己組織化」である「集合化」(次元)の発生である。

「自己複製」には「情報を伝える部分」と「動く部分」が絶対に必要であった理由が、「入力と出力」(プログラムの形のルール集合)であった事もここではじめてわかるのである。

つまりここにあるのは無限のなかでの有限であり、「他者によって自己ができてくるようなメカニズム」である。相互物理事象間だけでプログラム集合は成立せず、「人間」の脳と数学なくして問題意識と可能性は「次元」(時間圧縮)し得ないのである。

 

参考

「現象数理学の冒険」    三村昌泰 編著

「心はすべて数学である」   津田一郎 著