「歴史の代償」を考える

外交史料の本質を考える。≪本文より≫

 

1、他者に対して人間的な興味を抱くどころか、理解しようと努力することもなく、ひたすら「裁く」ことに熱心な風潮が歴史にはある。

2、「転向」の問題も含め、現在から過去を振り返って人々の「生きてしまった人生」を道義的に判断することを急いではならない。

3、「英雄を持たぬ国が不幸なのか」「英雄を必要とする国が不幸なのか」の議論は、いずれも時代の閉塞感から来る「他人まかせ」の「誰か」を探しているにすぎない。これは「英雄の生まれ方と大衆の罪」が、「代議制」の倦怠としてクローズアップされている。

4、「つながり」を促進するよりもむしろ各国・各層あらゆる現場に「被害者意識」を植えつけることにより、国のみならず個人をも「分断する企て」があちこちで見られる。

5、成功よりもむしろ失敗のために知恵を含んでいるかもしれない他者の経験を理解しようとせず、成熟の契機を逃すのはもったいない。恐れることなく勇気を持って生きればいい。

 

参考

「道ひとすじ」外交史料館で考えたこと    吉村道男 著