光とその影

集合論と論理学の「交わる」(部分)には区間と被覆の連続関数があり、そこに微積分とコンパクト空間を見れば、ベクトル場や作用素の概念が新しく生まれ変わるのは当然と言える。こうして「楕円曲線」が特異点を持つ有理曲線に退化するとき、「振り子」の問題もリーマン面の理論に翻訳可能であることを知る。そして連続ベクトル場を指数と考えることは、多様体の接ベクトル・バンドル(和集合)の性質を調べることに直結した。写像複素平面により被覆空間となったのである。

 

ここまで来てペンローズ氏の「ツイスター空間」がはじめて説明できる。ツイスター空間は時空点を通る光線がつくる「球」(曲)に対応する。それは複素空間になっているゆえに、光がもたらす影の重ね合わせである。これは「図と地」の図形(ローレンツ変換)に対応する。ここで接ベクトル・バンドルの性質が本質に対応することになる。ペンローズ氏の光の物理学は影の物理学であるゆえに、ガラス平面にある写像としての物体という像である。そしてスピノールは光ではなく、影の重ね合わせであるゆえに二回転してはじめて元に戻る。

 

参考

「新・数学の学び方」    小平邦彦 編

ペンローズの〈量子脳〉理論」心と意識の科学的基礎をもとめて ロジャー・ペンローズ  竹内薫茂木健一郎 訳・解説