大量生産とカロリーの歴史

頭を使うということは、頭のカロリー効率を考えることかもしれない。本書の7「モノカルチャーが農業を変える」は圧巻である。「工業の歴史」と比較して見よう。

 

ダーウィン家が興味を持っていたのは、本「異種交配の好ましい効果と近親交配の弊害」の中での、「近親交配の弊害」の方だ。それは「家系に対する今後の不安」であるが、「世間」に驚くほど「大きな反響」を与えたのはむしろ「異種交配の好ましい効果」の方である。

 

メンデル氏はこうして「品種改良」にまず乗り出すが、それはむしろ「大量生産」ではなく、異種交配による品質向上であったニュアンスが高い。「弱くならない強く優秀な家系図へのこだわり」である。ゆえにそれは皮肉にも種子メーカーに「一代だけの効力」として、巨万の富をもたらしただけだった。そこに持続可能性は見えていない。

 

だがやがて「雑種強勢」は望ましい形質の発見という知見と、化学肥料や殺虫剤や新しい機械の導入によって大量生産の面積をうまく手に入れることになる。

 

「背の低い小麦」という一見「劣勢」に見える形質がより豊かな実りをもたらすことを知り、収穫のカロリーを輸送しやすい形(加工)に変え、交通(鉄道)により「農場に回帰させる」化学肥料強化は、家畜労働による化石燃料消費を超えて、機械化にもよる低カロリー化を実現させたのである。

 

この様々な「分野の共同」による「低カロリー化」が、「大量生産」を初めて可能にしたのである。こうして標的の飢餓を凌駕する。そして収穫量を増やすということは最終的に、「農業機械の操作」と「トラックの運転」だけとなったのである。

 

こうして「化石燃料を使うと投資を上回る成果を得ることはできない」という法則は、今でも生きているのである。

 

キーワード:大量生産 民衆 消費カロリー 

 

参考

「食糧と人類」飢餓を克服した大増産の文明史   ルース・ドフリース 著