生ける学問(普遍的自己認識)

「生き生きとした現在」のためには、学問も自己の「内部」に入り込まなければならない。現実へ通路ができるように、現実と知が自分の内部を豊かにしていなけば何も「表出」できないからだ。

 

「努力の産物」が硬化して、「現実への通路」でなくなってしまう事をフッサール氏は「危機」と呼んだ。

 

「汝自らを知れ」というのは、生き生きとした現実と交流した現在に気づくためだ。実証科学は外には向いているが、中身と言う点で世界を喪失している学問である。普遍的な自己省察によって世界を再び獲得するために、われわれはまず最初に「判断中止」(エポケー)によって世界を「放棄」しなければならない。

 

アウグスティヌスは言う。「外に行こうとしないで、汝自身のうちに帰れ。真理は人の心のうちに宿っている」と。

 

 

参考

中公クラシックスw83「デカルト省察」  フッサール 著