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本書を真摯に理解する。

 

人間にとって紙とは何か?

紙幣・証明と偽造・プリントアウト・機密事項・天才のスケッチ・設計図といった目次から、今回は理解しない。

 

なぜなら震災の時、街から信号機の灯かりが消えた時が、自分にとってもあまりに想像できない光景だったからだ。今回、「そこにはいつも、紙、紙、紙」であった光景に真摯に寄り添う。

 

黒い背景のなかを、ひらひらと舞い落ちる。そしてもう一枚、また一枚と舞い、やがて大量の紙が降りしきる。一面白くなる。地面は証言していた。粉塵とおびただしい数の紙切れ、そしてその認識をだれもが共有し始める。

 

何が起きているのか理解しようとしていた。

 

頭の中が真っ白になった者から、足元の紙に目を向け、拾い調べ出す者までがいた。

紙の回収は、ほんの始まりに過ぎなかった。それは遺影、遺言、遺品のすべてであった。

紙を拾った人は、どうにかして見ず知らずの持ち主に返そうとした。一枚の名刺すら永遠の住処を探してやりたいという思いで。

 

「どこを見ても紙ばかり」、そのような空間が、「記憶に残るもの」として現地では展示デザインされたと言う。

 

 ー 9・11 空から紙が舞い降りた日 ー

 

 参考

「紙 二千年の歴史」    ニコラス・A・バスベインズ 著