新説「債務貨幣論」

本書は秀逸である。

貨幣は使用価値や交換価値で定義されたのではない。それではあまりにインパクトが弱く、流動性がうまれないからだ。もともと「等価」など人間にわかるわけがないのである。

むしろ貨幣は「債務」から生まれ、貨幣はその計算量としてうまれた「動的均衡モデル」である、と考える方が自然である。

そう考えれば、マルセル・モース氏の「贈与論」とも良く整合する。「借りを返す」という「共生」は、その後アダム・スミス氏の「諸国民の富」や「道徳感情論」にダイナミズムを与えてゆく。

どれほど借りがあるかは、「借りた認識のある誠実な本人」が決める「範囲」だからだ。

 

参考

「貨幣の新世界史」ハンムラビ法典からビットコインまで  カビールセガール 著