「虚学」にできる未来

江戸に医学の存在があることを人が知ったとき、それを知らない人間の物語が「虚学」であるという認識も「同時」に誕生した。

つまり、漢学の古学→医学→国学という新しい認識が誕生をむかえたのである。

そこから花鳥風月や本草学を経て、江戸の医学と農学が人文学と自然科学という対立を無化する書物を次々と生み出して行く。

そして身体的には弱っていく中で、人間が依然として成し遂げることのできるものに注意を向けさせ、それが虚学の再認識とともに「蘇り」概念に重要になったことも、家族に示し残せる尊厳を生み出した重要な一端である。

 

参考

増補新装版「近代ホスピス運動の創始者 シシリー・ソンダース」シャーリー・ドゥブレイ マリアン・ランキン 著

『医学書のなかの「文学」』江戸の医学と文学が作り上げた世界  福田安典 著