もう一つの幕末維新

「幕末維新」を武器から再考する。

 

幕末維新期の日本の武器輸入は比較的限られていた。イギリスから直接輸入された最新式・システム化・量産化されたものではなく、ほとんどが海外に出回っていた旧式銃ないし廃銃の部類に属し、それを武器商人が中国あたりで寄せ集めていたものである。

 

しかも本来なら国防あるいは自立強化のための輸入洋銃は、明確に「倒幕の道具」へと転化されていた。ゆえにその後、技術的に劣悪な輸入品を模倣しようと、開発しようと、その分析素材がたいしたものではなかったがゆえに、藩の独自技術とはならず、その輸入延長線上のもとに「開国」(輸入)を急いだのである。

 

このある意味、幕末維新の経験は致命的であった。自前の技術の足かせになった。開国後、旧式は輸入されたが、輸入経路の新規開拓と最先端技術の探求はなおざりにされた。

 

その後の日本の敗戦は、アメリカとの文化・経済レベルの違いではなく、維新以降の自前技術の進展の無さと武器輸出入の「軍産複合体」の概念を持たなかったことにある。

 

つまり現在の国連の常任理事国も、「武器輸出」の理由国として選別されているからである。

 

 参考

大英帝国の<死の商人>」  横井勝彦 著