僕の知らない僕(尾崎豊)

「NOTES僕の知らない僕(1981-1992)尾崎豊」を読む。孤独な自由主義者は、落ちてゆくみたいでちっとも自由に見えない。坂口安吾氏も「堕落論」を書いたが、そう思っていたのかもしれない。自由であることを選ぶことは「なんて無力で意味がないんだ」と。しかし尾崎氏も坂口氏も決して堕落してはいない。だから尾崎豊氏は人一倍「勤勉」にノートを書き残した。それはメモではなく、保管され、残そうと意図したものだった。自分の知らない自分に賭けたのだ。それが「書かれたもの」(自動記述)の保管であった。自分はたった一人だが、見知らぬ人々がいつか「僕の知らない僕を見る」と。