象徴モナド

「同一性」の「厳格」から、「分割」という「記憶」層の概念があらわれ、その差異化してゆく過程が、回廊空間・柱廊空間である。

この同一性は平面図(オーダーによる建築術)を拡張する。なぜなら「無」を囲わなければ平面図の拡張は立体ほどには容易でないからだ。

こうして同一性は、三位一体としてまで認識されるようになる。

光の秘密・音の秘密・数の秘密はこの空間から「秘蹟」となる。

回廊空間を持つものは、必然的に居住空間よりも中庭空間のほうが大きくなる。つまり内容において、居住空間よりも中庭が内容(内部)としてより創造されるからだ。

こうして古代ギリシヤ・ローマ時代における都市の計画可能性・生産能力は、この中庭(広場)を囲む柱廊によって結集されていたのである。(パルテノン神殿・円形劇場)

アーチ状「窓」はアーケード状態によって、のちに「壁」と混同された。そしてボイド(吹き抜け)が唯一の「天窓」と理解されたのである。

 

 参考

「イタリア修道院の回廊空間」造形とデザインの宝庫   竹内裕二 著