着地点

本書と著者の業績は同じ場所に見事に着地する。

まず自分の頭で考えろと言う。文献は二の次だ。アイデアに「先行」文献などないからだと。次に、自分の仕事は宣伝しなければならないと言う。英語力よりも、世界に発信するべき「何か」を持っているかが重要だと。ここまで来て、「国際競争力」ではなく「国際交渉力」が必要だと言う筆者の意図がわかる。現実的な不利益は競争力にはなく、交渉力にその根があるからだ。それが「ゲーム理論」というルールである。そしてゲーム理論に必ずなければならないのは、「失敗した他者への配慮」である。つまり「ノブレス・オブリ-ジュの精神」である。「高貴さが義務を強制する」ということだ。「成功」を手にした者は、自分以外の人々に対して一定の「義務」を負うという考えである。つまりこの精神が「交渉力」に強みを与え、ゲーム理論を「完備」するのである。

 

参考

「グローバル・エリートの条件」  浜田宏一 著