位置

本書は「レジリエンス」を今更説明するものではないのだろう。たぶん「レジリエンス」がかつて「どこにあり」、いま「どこにない」のかを示したかったのであろう。

 

かつては誰もが普通に持ち、特別な才能を発揮したい人たちはその技を磨いた。それがかつての「レジリエンス」の「ありか」である。ここには世界の「落ち着き」があった。

 

しかし現在、それは不測の事態を招くほど欠乏している。

「子育ての現場で」「いじめ」「言葉」「教育」「結婚」「仕事」「病」「加齢」において。

 

つまり状況を人の所為とせず、逆境に対する自分の考え方をどう変えるかに尽きるのである。頭のいい人間は「言葉」ではなく、自分そのものを変えている。いまこそ「実存的生き方」を迫られている時代はないのである。時代の進みが早いのではなく、各個人が唯一無二の個々人となったからである。もはや「万人に通用するマニュアル」は存在しない。そんな時代の到来を「自由と尊厳」の個人の時代、自ら乗り切る時代、と再度位置づけられるかどうかは、まさに本人次第なのである。

 

参考

レジリエンスの教科書」 カレン・ライビッチ アンドリュー・シャンテー 著