眼と物理学

本書から学べるものは多い。翻訳者も文庫版解説者もそれを読み取っている。

 

本書は微積分を「露出」と「速度」で語る。そしてそれが曲線の持つ内在的な性質をつかみ出している。なぜならそれが相対性理論への展望を拓くことにも貢献したからだ。

 

映画とカメラの原理は、物理学そのものの直観として眼が与えた。曲線は、ほんの少しの「断片」が見えていれば、少しの「露出」さえあれば、物体の運動を記録し、エネルギーとその険しさの度合いを知ることができるからだ。ここから級数、近づく、無限、連続の問題を知ることができるからだ。

 

そしてその影の成長も同じ大きさで、同じ倍数の速度で投影されるからだ。すなわち曲線は「たわみ」でもあるという理解になる。露出部分がどうあれ、すべて曲線は理解しているのである。曲線は変化であるから、見える部分(露出)がどんなに少なくとも、その差異が速さとして認識できるからだ。

 

つまり今後の量子力学は、この少ない露出を更なる曲線概念の「拡張」により見出してゆく物理学である。

 

参考

ちくま学芸文庫微積分入門」  W・W・ソーヤー 著