インフォームド・コンセント(倫理の大転換)

権利の章典」から「消費者の権利」、「インフォームド・コンセント」までの道のりをたどる。

 

「権利と自由」は、それでも「主従関係」から始まる。

しかしやがてそれは「消費者の権利」として個人に「独立」する。いささかの「知識」を必要として。

 ここから「死に抗するための夢」(説明責任)がはじまる。

「拒絶反応」がなぜ起きるのか、「限られた実用化」の概念は、こうして「理解」を通して進歩してゆく。

 

かつて「医」はキリスト教の精神からくる一方的に施される「仁術(慈しみの術)」であったが、個人の権利意識が高まり、医療に対する「認識」が新たに生まれ「インフォームド・コンセント IC」(症状や治療についての十分な説明)を得るということに結実した。この「お任せの医療から患者が決める医療」となったとき実は、自己認識の深まりだけでなく、この「IC」があれば臓器移植・提供などの先進医療も自己決定により「承認」「容認」できるという「他者論」が展開され、実験的医療がさらに進み、医学のさらなる高みが展開されたのである。

 

つまり医学(命)の新展開は、この「インフォームド・コンセント」(医の倫理の大転換)という思いがけない「他者論」の容認展開によったのである。

 

 参考

「医学の近代史 苦闘の道のりをたどる」 森岡恭彦 著