故郷(不在と存在)

他者問題を中心に、現代の空洞(故郷)を考える。

 

十字軍世界が反ユダヤ主義を作ったわけではない。ユダヤ人の故郷喪失に無力感はなく、他者をも問題とせず、むしろリベラリズムの代表であり、ブルジョワジーの代表であった。そう考えると故郷をねつ造までして「必要」とした人々は、逆に空洞を噛みしめた。

 

現代、「統合失調症」は減少している。それは準備期間である「青年期」がないためのニヒリズム的現象である。そこには、境界領域がないために集団帰属も曖昧である。

 

他者と自己は、こうしてしばしば未熟な生成をはじめるが、今後もあることだろう。

 

 

 

参考

「絢爛たる悲惨」  徳永恂 著

「欧米社会の集団妄想とカルト症候群」 浜本隆志 編

「日本の精神医学 この五〇年」 松本雅彦 著