カール・ポランニー氏とインテリジェンス(市場経済の免責現象をめぐって)

市場経済は、「免責の自由」が制度化されている。

それは相互依存と呼ばれ、民主主義から自動的に福祉国家が誕生する。

 

しかし「責任を通しての自由」でないため、悪影響は見通すことはできず、そうした影響に対する自らの責任を誰も引き受けることができない。

 

免責の自由は「社会」から「責任」を消失させた他者との連携であるともいえるが、この自由は逆に、他者との連携の消失点であるとも言える。人間と人間の実在関係が見えなくなり、責任なき客体扱いされるからである。

 

この免責時代にモンスタークレーマーがやたらと「根拠のない責任追及」で「居座る」のに対し、良識ある口下手でコミニュケーションがうまく取れないと言われている弱者(真実の配達人)は、その場から静かに去る。(財産の真実)

 

経営にとって必要なのはモンスターではなく、財産たるサイレントクレーマーが去るまえにその意見を「傾聴」することである。彼らはこの免責時代の矛盾や不条理を知り尽くしている。経営者に必要なのはおしゃべりモンスターではなく、むしろ物静かな人々があえて口にしない意見(サイレントクレーム・静かに離れてゆく顧客)の重要性である。

 

政治に無関心となりコミュニケーション不足となるのは、声高に責任を叫ぶ「免責者」(モンスター)が原因であり、責任あるサイレント者(引き受け者)はただただ見通しの立たない無責任(免責)な不況に追いやられるのである。

 

 

参考

「カール・ポランニーの経済学入門」ポスト新自由主義時代の思想  若森みどり 著

「インテリジェンス・ジャーナリズム」確かなニュースを見極めるための考え方と実践 

                ビル・コヴァッチ トム・ローゼンスティール 著