ヒーローはデビューしない

ー 素晴らしい、英雄的資質の凡庸さ ー

 

英雄の「概念」を持って、英雄行為ができる人はいない。

英雄が概念化できることこそ虚偽なのである。

それはイノベーションと同じだ。説明できる手段ではない。

 

真の英雄は、その時だれでもできることを「凡庸」にしただけで、非凡なことではないから、自分は英雄ではないと心の底からそう思い、誰もが必ずそう言う。

 

つまり英雄行為は概念化し演出されるような虚飾ではない。

 

事実英雄の明確な概念を持っている人間は、本書が言うように「悪魔」になるか、敷居を方向違いに置き、無意味にハードルを「高く」(理念化)して、かえって「無力」「無気力」になるからだ。

 

つまり英雄のイメージはいつの時代も間違っているのである。イメージが浮かぶことこそ「卑屈」なのだ。

 

「デビュー」する騒がしいヒーローなど存在しない。

過ぎ去りし日々の「あとから認定」である。

 

つまり英雄のイメージを持たないで普通に働き、生活している人にこそ、さまざまな英雄行為(のちに正しく社会化され豊かにしてくれた印象)を社会に確実に刻んでいるのである。

 

本書は秀逸である。

 

参照

「ルシファー・エフェクト」  フィリップ・ジンバルドー 著