国民と「公」

本書は、近現代史の「公共」をうまく説明している。

 

戦後、「日本に思想はあるか」という議論が政治歴史学のなかで繰り広げられた。それは「ある・ない」を別として現代の精神を確かに高めたのだ。

 

そこで質問が来る。

「日本国民は日本の存続を望んでいるか」

 

フランスは地理ではない。「フランス国民」は民族的・人種的ではない。フランスは「思想」である。この思想は「フランス人」ではなく、「国民意識」の総体をあらわす。フランスは歴史的に人種の政策ではなく、諸国民の権利の政策(公共政策)を模索してきたのである。

 

共和国は公正でなければならない。ゆえに特定の集団や個人の利益ではなく、国民全体の利益(公益)を擁護してきたのだ、と本書は説く。

 

 

参考

「フランスの肖像」  ミシェル・ヴィノック 著