デザイン力のなかで地図は活きる

スポーツとデザインには密接な関係がある。

自分のフォームは、実はまったく自分のものではない。だから練習で苦労するのである。自分で自分を制御することは実は最も難しいのである。

 

自分の身体と自分の認識の一体感を構築するには「体外離脱視点」が必要なのだ。

「ディスプレイ(表示装置)」とはそれほど難しいデザインなのだ。

 

デザイン力とはこの「体外離脱視点」の習得にある。マーシャル・マクルーハンの「人間の拡張」とはそのことを言う。実は機械は社会デザインの中に配置されて初めてイノベーションなのである。本当に良い道具はその存在自体が意識から消え、意識を拡張させるからだ。それが人と機械との真の一体感である。

 

GPSやインターネットもそのような「地図」(デザイン)をつくることである。物をつくることではなく、社会を創造するイメージまで拡張できなければ、イノベーションとはならないからだ。これが『ものづくりの中心に「人」を置く」という意味である。

 

この豊饒な時代、出尽くした時代に「なにをやっていいかわからない」という研究者は多いが、それは自分の中に新しい社会がデザインできていないことによる。

 

ものづくりではなく、デザイン力(自分を「含めた」地図)が新しい時代を創るというのは、そういう意味である。

 

 

参考

『人と「機械」をつなぐデザイン』   佐倉統 編