無償労働の未来

「有償労働」と「無償労働」の両方に携わること。

「ライフ」に一定のエネルギーを振り向けたくても「ワーク」しか存在しなければ、ケアという無償労働(家事・育児・老後)のための時間は与えられない。これが今後期待される「経済的多元主義の認識」である。

 

有償・無償の組み合わせを半々にすることで、有償だけのワークしか存在しな標準的労働者の社会を再び「独占」から「厚生」させることができる。

 

「ケア」の営みは価値ある仕事である。そう考えなければ、本当の平等と社会保障の枠組を理解することはできない。有償労働から無償労働へ、そして再び有償労働へ再帰できるという流れを作らなければならない。一生有償労働だけという独占労働者の世界は、不平等と格差を今後も拡張するからだ。

 

家事労働までも外部化・商品化することは、生活時間の欲求をさらに歪めることになり、貧困と生きづらさを助長するだけであろうというのが本書のねらいである。

 

ライフとワークは拮抗しない。ケアすることの「多様な営み」から生活が成り立っていることを知れば、それは理想や、贅沢な悩みではない「標準」なのである。

 

 参考

「オランダ流ワーク・ライフ・バランス」  中谷文美 著