「地域通貨論」再考

維新期には高額紙幣の新太政官札を死蔵させず、少額貨幣需要にいかに対応するかが地方的課題となった。その時、藩札の存在が実体経済再編にうまく整合した。

中央政権は、藩札流通をしばらく認めたところで、その地域間決済通貨と兌換準備貨幣としての機能を太政官札に獲得させたのである。

 

藩札の残存で、統一的計算単位制定を太政官札にいとも簡単に成熟・受肉させたのである。このことにより「海外単位」に干渉されない国家による貨幣単位を自立確立したというのが本書説明のねらいである。

 

このことは「貨幣発行の政策論」ではなく、「貨幣流通の実態分析」(メカニズム)が重要であることを改めて現代に示す。

 

参考

明治維新期の貨幣経済」  小林延人 著