租税と財政(社会的人間再形成への道)

小さい政府と強い租税抵抗の日本的生い立ちを投資と社会保障から考える。

 

日本では「リスク」は私化されている。個人の負担能力とされた。それは組合的相互扶助を意識化していない。それゆえこのリスク回避は私人に負担された「保険的」なものとなったというのが本書である。

 

日本の社会保障がリスクの私化の上に成り立っていることから、自己は保険で守っており、国に守られているわけではないという強い意識が生まれた。こうして租税は生活保障システム上、二重取りに見えるようになった。

 

そしてリスクの私化により保険料支払いが社会保障として保守的に先行したため、日本には投資というリスク取りや、ベンチャー企業が生まれる土壌の余地は、日本型「貯蓄」に奪われたのである。

 

こうして個人のリスク負担能力が歴史的社会的に先にあったことで、日本の租税抵抗感は高く、自己防衛意識は過度的となった。その意味で社会を経由した「自立した人間」という社会的人間の形成はこれからである。、

 

参考

「租税抵抗の財政学」  佐藤滋 古市将人 著