財政の生い立ち

「金融」は市場を経由して発展したわけではない。資本主義を経由していない。

市場経済は幻想である。市場経済や日常性はのちに包摂されただけである。

 

「戦費調達」が公信用という国家(財政=軍事国家論)を作ったとするのが本書の金融論(投資論)である。

 

読んで字のごとく、「負けるものに投資はしない」ということだ。「勝たせるための投資」、それが「勃興」の理由である。

 

戦火に疲弊していた時代は出口を模索していた。そこで生まれたのが公信用・国家・投資の誕生サイクルである。そして戦費調達が公債となったメカニズムは、国家の金利が信用として低位(最も債務不履行の可能性が低いという意味)で安定することにより、その他の金利=信用も通常安定するということに寄与したからだ。こうして勝国への投資が信用としてますます勃興したのである。

 

こうして戦争による遊休資産(投資するに値する社会のない資産)の向かい先がふたたび戦争へという循環経緯をたどったのである。そしてここに政治と経済の接合がはじめて認められるのである。

 

参考

「投資社会の勃興」ー財政金融革命の波及とイギリスー 坂本優一郎 著