定常型社会(自己をみる高度な自己のテクノロジー)

 ユートピア思想は心身ともに健康な牧歌的思想と思われているが、「自分を見る自分」が必ずいるイメージを持つ健全な世界でもある。「自分の中にいるもう一人の自分」は例外なくすべてを創造する。そして自分を見ている自分はすべてを記憶しているために、それを自分で欺くことはできない。自分に嘘はつけなくなるのである。

 

MITのテクノロジーは、明らかに「自分の中にいる自分」をテーマにしているところから、他者を見る「日本人のテクノロジー」とは少し違うのである。

 

「自己を管理する欲求」は、豊かさに並行して知的好奇心の充足を必ずもとめる。そしてそこにあるのが、科学が「道楽としての研究」(生涯学習)という市民の流れに「ケア」として合流してゆく定常型社会(ユートピア)の流れの発現である。社会保障と教育の領域は「自己のケア」という健全性の思想により、必然的にクロスオーバー(ユートピア化)しなければならないのである。

 

参考

「生命の政治学」福祉国家エコロジー生命倫理   広井良典 著

子どもたちが身を乗り出して聞く「道徳の話」   平光雄 著