戦後文学の豊饒なイメージと繊細なる科学技術の誕生

本書は秀逸である。

日本のクール・文化、あるいは繊細な技術に隠された真実を垣間見ることができる。

 

シンデレラ化した占領下の日本のガラスの靴やカボチャの馬車は、単なる競合下(闘争)にある先端技術ではなく、インバータのような気遣いと繊細な技術を生んだのである。

 

占領下の検閲・抑圧と民主主義(解放)の移植というアンビバレントな風にさらされた日本空間は、寓話やファンタジー(逃走)という「表現型」に行き着いたと解釈される。皇室という神話的世界はそのベースとなり、ファンタジー(創造力)の自由と気遣い(擬態)は日本的な技術の繊細(もてなし)に行き着いたのである。

 

参考

「占領空間のなかの文学」  日高昭二 著