遠近法とメタ言語

遠近法とメタ言語の関係を紐解く。

 

まず法の目的の一つには、公権力の行使を正当化することにある。ゆえに自然科学や数学のように客観的論証よりも、さまざまな価値観を持っている人々の説得であり、同意を取ることが最終目的である。これにより多元的な容認化も行動として可能になる。

 

そこで役に立つのが「言語の言語」たるメタ言語である。これは社会の客観視という視点を与える言語コミュニケーションの遠近法である。自分と距離を置いてみる、距離を置いて実際に見る、という内観法と外観法の同時達成である。ダヴィンチの遠近法もそれであった。芸術と自然科学は社会性として融合していた。

 

つまり解釈的道徳フィクション主義によれば、人々は実践的議論において客観的真理を求めるかのような語り方をしながらも、相手の説得を目的とする言語行為(正当化、弁明、非難、依頼など)を自覚的に行っているということになる。また改訂的フィクション主義によれば、人々は客観的真理を本気で信じて議論しているのだが、むしろ信じているような態度をとるだけのほうが良いのである。それで十分に沿えるのである。そのほうがむしろ硬直化していない。

 

そして真似る、写す、自由を移す、模範とする、とはこのような意味合いから派生したと考えられる。

 

参考

法哲学講義」  森村進 著